ペットを飼っている人にとって、旅行できないというのは多い悩みです。ペットを連れて宿泊できるホテルや旅館も昔に比べると増えてきましたが、それでもまだまだ少ないほうです。避暑地のペンションなどが多く、観光地や温泉街の宿はほとんどペットを連れて入る事はできません。自ずとペットを飼っている人は、家族の誰かが留守番をするか、ペットが留守番できる1泊程度の旅行が限度ということになります。そんな悩みを抱える人にとって、ペットと一緒に旅行ができるキャンピングカーはとても重宝します。キャンピングカーはその名の通りキャンプ用の車で、車内で寝泊りすることができます。種類によって設備は異なりますが、本格的なものになると、キッチンに風呂やトイレまで完備され、車で暮らすことも可能です。観光が目的なら、たとえホテル内にペットを連れて入れたとしても、車内でお留守番させることが可能だとしても、観光している間ペットはどうするかという問題があります。一緒に泊まることもできない、観光することもできないとなると、ペットを連れて行く意味もありません。

しかしキャンプが目的なら、ペットと一緒にずっと過ごすことができます。キャンプ場で走り回らせることはできないかもしれませんが、家族みんなで車内で食事をするなど工夫すればペットに寂しい思いをさせることもないでしょう。アウトドア派の家族にはピッタリだと思います。キャンピングカーをお勧めしたいのは、あえて言うなら犬よりもネコを飼っている人です。理由は犬ならキャンピングカーでなくても旅行できる、の一言につきます。ペットと一緒に泊まれる宿、ペットを連れて入れる設備に旅行することを前提にしますと、犬ならなんの問題もありませんが、ネコはクリアしなければならないハードルがいくつもあります。

例えばイベントなどで人ごみの中を歩く時、犬なら少々興奮したとしても大人しく飼主に抱かれていますが、ネコはそういった環境は好みませんので爪を立ててなんとか逃げようとします。一旦逃げ出してしまったら最後、なかなか捕まえることはできません。最悪の場合、そのまま行方不明になってしまうこともあります。仕方なくゲージに入れたままで連れ歩くことになるでしょう。ネコにとっては迷惑な話です。これには犬とネコの性格の違いが関係しています。もちろん個体差もあるのですが、概ね犬は留守番が嫌いです。一人で置いていかれるよりは、家族と一緒に連れて行ってもらいたいと思っています。しかしネコは環境が変わるのが嫌いなので、知らない場所に連れて行かれるくらいなら、一人で留守番しているほうがマシと思っています。そんなネコをゲージに入れたまま連れ歩くことは、飼主の自己満足に過ぎず、ほとんど虐待に近いものがあります。しかし寝るときも食べるときも家族と一緒にいられて、おまけにいつも使っているトイレがあって、お気に入りの毛布があれば、ネコにとってはそれほど苦にならないのではないかと思います。キャンピングカーにさえ慣れてもらえれば、問題なく一緒に旅行できるのではないでしょうか。そんなわけで、ネコを飼っているキャンプ好きの方にあえてお勧めします。